小さな町の殺人犯
投稿者:件の首 (54)
北海道の親戚から、結婚式の二次会で聞いた話。
20年かもう少し前、親戚は今は廃線になったJR沿いの、数十軒しかない小さな町に住んでいた。
自治体では、空き家を安く貸して人を呼び寄せようとしたけど、結局中年の男性が1人やって来ただけだった。
初めは何となく警戒されていたその男性は、近所の行事にもよく参加し、年寄りの雪かきを手伝うなど協力的で、次第に受け入れられていった。
ある冬、町でも数少ない子供が1人行方不明になった。
全員が顔見知りの町で、疑いがかけられたのは、結局その男性だった。
町の人達は男性の家に訪れたが、彼からは何の情報も得られず、結局子供は見つからなかった。その時のやり取りが嫌になったのか、男性は翌日の札幌行きの始発列車に乗ったきり、帰っては来なかった。
翌年の春、雪どけしてから、町の人達は空き家になった男性の家の掃除に入った。
戸を開けた瞬間異臭がした。
異臭を辿るとトイレだった。
汲み取り式のトイレの蓋を開け、のぞき込んだ1人が悲鳴を上げ、転げるように飛び出した。
トイレの底には、ハエと蛆だらけでぐずぐずに腐敗した子供の頭が半分見えていたのだった。
その後町の人達は協力して家を取り壊し、丁重に子供の供養をしたという。
私は親戚に、男性の犯行動機は何だったのか尋ねてみたが、結局捕まらなかったそうだ。
誘拐の可能性があるのに、雪どけまで容疑者の家を捜索しなかった理由を尋ねたところ、急に「知らない」「そんな話はしてない」と、何も答えてくれなくなった。
その後、親戚は何で会っても目を合わせてくれなくなった気がするが、深く考えないようにしている。
闇深
怖すぎ
親戚が犯人説
表現がいい感じの気持ち悪さで怖かったです…