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ヒトコワ

雨音さんによるヒトコワにまつわる怖い話の投稿です

誰かが私を観ている
短編 2022/08/12 01:52 1,619view
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これは私が大学で一人暮らしをしていた時のお話です。

私は社交的な方で大学には友達が沢山いました。そして私は、友達一人一人と、ある程度の信頼関係を持って付き合っていたつもりでした。

特に私と同じアパートに住んでいた友達とはとても親しい仲で、時たま、私が大学終わりにそのままアルバイトに行く時などはその友達に荷物を預け部屋の中に入れておいてもらうこともありました。

そんな楽しい大学生活を送る中で、私の日常に不思議な現象が起こり始めるのです。

私はある日、私の家で私の彼氏と結婚の話をしていました。大学を卒業したらどのような段取りで結婚していつから妊活をするかといった幸せな話を、日常会話の中で軽く交わしていたのです。

すると数日後、私の親友の1人に、私と私の彼の結婚の話題をされました。私は特に気に留めず、幸せな惚気を話しました。

さらに後日、私は親友の1人に、私が今読んでいる本の話をされました。至って普通の、私も面白いと思うといった感想だったのですが、私は少し首を傾げたくなりました。というのも私は一度もその本を家の外で読んだことがなかったからです。

そしてまた明くる日、私は親友の1人から衝撃的な言葉を耳にしました。その親友は、私が今趣味で描いている絵のモチーフについて語ってきたのです。

それは私が1日前の夜に突然思い立って描き始めた、まだ絶対に誰にもいっていない絵のモチーフだったのです。

私は心の中で大量の冷や汗をかきました。

「なぜ、なぜこの人は私が誰にもまだ話していないことを知っているのだ?」

「私は昨日誰かを私の家にあげたっけ?」

「いや、私のことは私が1番知っている。私は誰1人、私の部屋に招いていない。」

そう思った瞬間、少し前から少しずつ奇妙なことが起こっていたのに気がつきました。

そういえばあの友達はなぜ私の読んでいる本が分かったのだろう。

そしてまた、別の友達はなぜ私の読んでいる本を知っているのであろう。

さらになぜ私が彼とした結婚の話をあの友達は知っていたのだろう。

私は気分が悪くなりました。何からどう疑ったら良いのかわからないのです。

だって、私には親友が沢山いるのですから。

その後私は、とりあえず何もできないので、プライバシーの守られない家に帰り、数時間、不安に怯えながら何もできずに過ごしました。

すると玄関のほうに少し違和感を感じたのです。

ゾッとして玄関の方を見ると、玄関に付いている小さな窓から目が見えました。

誰かが私の部屋の様子を伺っているのです。

私の身体は凍りつきました。

そして、私と同じアパートに住んでいる1番仲のいい友達の顔が頭に浮かびました。

あの人は、その後も大学生活4年間、いつだって私を見ていました。

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コメント(1)
  • 痛みいります

    2022/08/29/21:11

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