満月の夜は川に近づくな
投稿者:雨音 (10)
私の村は山奥の過疎地です。
現在は過疎化していますが、有名武将が統治していたため昔はたくさんの村人が住んでいたようです。
山奥ということもあり昔から語り継がれている迷信のようなものがたくさんあります。
その一つを紹介します。
村では月に対して迷信がいくつかありその中に「満月の日には川に近づくな」というものがあります。満月の日は川が深くなり川底の魔物に足を引っ張られて溺れてしまうという迷信の様です。
昭和から平成に映り替わり現在は令和ですが、平成になった時期から迷信を軽んじる住民が増えだしたりとか、親が子供に迷信を伝えなくなってきたため、迷信を知っている家庭、迷信を知らない家庭、迷信を軽視する過程と様々な状態になってしまいました。
その中で満月の日に川遊びを企画した集団がいました。長老と呼ばれるような年齢のおばあさんの幾人かが川遊びを中止しろ、もしくは延期しろと懇願してきました。命令ではなくどうしてもやめてほしいというお願いのような状態でした。
一行は迷信などくだらないと川遊びを強行しました。そうしたところ夕方になり男子中学生が川で泳いでいたところ深くもなく流れも遅い川中で急に足を取られ沈んでしまいました。みんなが助けに行こうとしたところ流れが遅いのにも関わらず足を取られ前に進めず男子中学生を救出できませんでした。
夜分になり捜索も打ち切られ次の日の朝に捜索が再開されたところ川岸に打ち上げられている男子中学生が発見されました。
川遊びを強行した一行は地域の住民から糾弾され以降その時期の川遊びはタブーとなり開催されることはなくなりました。
ご冥福をお祈りします。