狐塚のきつね
投稿者:cocoro (16)
一生懸命探しましたが、なかなか、鍵はみつかりません。
下の落ち葉もかき分けて木の枝に引っかかってないかも確認しました。
でもありません。
しかたないので、さっきの駄菓子屋さんに公衆電話があったのを思い出し、二人で公衆電話まで向かいました。
息子は小銭をいれて受話器をとり、ぷ~、ぷ~っと鳴りやむのを待ちました。なんどやっても、つながりません。
ん?おかしいな。。。
『つながらんし、かからん。』と息子。
そこで、隣で見守っていたT君が気付きました。お金が返却口に落ちてきています。
『受話器とってから、お金入れた?』とT君。
『いいや。これってお金入れてからちゃうん?』と息子。
『おれ、前に図書館で迎えに来てもらうときに近くおった人に使い方教えてもろたけど、受話器あげてからやったで、確か。』とT君。
怒られるという気持ちと慌てていて、使ったことがなかった息子は、言われた通りやって、すぐに私に電話をかけることができました。
事情を聞いて、用事をしていた私は急いで片付けて、時間も5時半を回っていることに気付き、車を飛ばしました。
到着するとT君のお母さんも先についていて、いっしょに鍵を探してくれていました。
『チャックってそんなに簡単に開かんけどなあ?』とT君のお母さんがいい、私も
『ほんまやなあ。しかも、こんな遠いところまで来とるとわ。』と私。
しばらく、4人で探しましたが、結局見つからず、暗くなってきたのでお礼を言って先に帰ってもらいました。
自転車は、後から主人の車にのせて持って帰りました。
物をなくすことは、たまにありましたが、すぐに出てきて何事もなく帰れることが多かったので、このように見つからないことは初めてでした。
今回は不注意ではなく、ちゃんと管理していたにもかかわらずなくなったので、違和感が残りました。
なんでも、もらいやすい、うけやすい家系なので、毎月のお寺参りをしているのですが、その時に御上人にこの話をしたら、お経を読み上げた後、振り返ってこんな話をしてくれました。
そこには、いたずらばかりする狐がいて、その狐がなくなって、悪さをしないようにと狐塚を作って埋葬していたのだとか、ちょうど子供たちが遊んでいた丘のようなところが塚の真ん中にあたりで、息子たちが楽しそうに遊んでいるのをみて、一緒に遊んでいたのだとか。
そして、帰ると言い出したものだから、もう少し一緒に遊びたくて、ポケットから鍵をとったのだそうです。
きつねにいたずらされたというわけです。
だから、どこを探しても鍵は出てこなくて、あたりまえ。隠されていたわけです。
もしかしたら、鍵をかくして、見つけてくれるまで遊びたかったのかもしれません。
何度か吹いた違和感のある大きな風は、きつねのちょっかいかじゃれつきだったのかもしれません。
息子と友だちのT君は気が優しく、つきやすい体質だったために起きた出来事のようでした。
きちんと、お祓いをしてもらい、二人に二度と近寄らないように狐を説得してもらいました。
それからは、T君とお母さんにも事情を説明し、鍵だけでは済まないかもしれないため、2度とあの公園には行かないように話しました。
狐かまってほしかったんかな、かわいい