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妖怪・風習・伝奇

イタチコさんによる妖怪・風習・伝奇にまつわる怖い話の投稿です

カイダン
短編 2024/10/29 03:36 596view

私はその日、おじいちゃんの葬式に来ていた

遠い地方なので、夏休みでもめったに来ることはなかった

しかし、さすがに、自分の親が死んだのだ、両親二人して、休みを取って

電車で片道、六時間以上かけて、私は、南のほうへ、南のほうへと、降りていた

電車を乗り換えるたびに、気温は上昇し、私は、徐々に不安になっていく

母親の話では、その田舎では、未だに、クーラーが、無いというのである

一両編成の電車で、駅に着くと、一台だけ、タクシーが止められており

すぐに、三人でその車に向かった、先に電話で、お願いしており、こんな場所に、普段タクシーはないという

私は、全く、コンクリートの建物のない揺れる道の中

昔、両親が一度、仕事で手が離せないとかで、田舎に預けられたことを思い出していた

そこで、釣りに連れていかれたり、山の田んぼに行ったそうであろうが、全く記憶にない

それでも、私の感情の中に、一つ、ある言葉が浮かんでいた

それは、何の岩だったかは、思い出せない

しかし、何でも、その岩で、命を落とすと、生き返るというのだ

今、子供ながらに考えて、そんなことは、無いと、そう思う

しかし、やけに、その言葉が、頭の中に、しみついてしまっていたようで

家に近づくにつれて

ばらけていた、記憶が、徐々にまとまり、次第に、あの思い出も、あわただしい、出迎えや、用意などで、押し流されていった

無事葬式は、終わったが、そのうちの一人が、言う

「しかし、棺桶のふたも開けられないなんて、よっぽど、酷い死に方をしたんだろう」

私はその言葉を聞いて、母親の顔を見ようとしたが、皆移動する流れの中で、私も、それに付き合うしかなかった

火葬も終わり、両親は、有休をとったとかで、あと二日、母親の実家に滞在することになった

本当に何もない場所であるが、クーラーは、何年も前に設置したとかで、一部の部屋だけが冷たかった

「本当に、突然だったね、あんな元気な人だったのに」

母親が、その母親とせんべいを食べながらお勝手で何かをしゃべっていた

私は、持ってきた本を読みながら、なんとなく聞いていた

「あのね、実は、みんなが、いたから、あまり詳しいことは言わなかったけど

お父さん、死んだ場所が、あがばがだったんよ、それで、あまり周りにも、言えないし、本当に、困ったんけど、潮の流れで、向こうの沖について、漁港で、回収したけど、今夜あたり、出るかも知れんね」

私は、何か、不謹慎な気がした

向こうのほうで、父親の声がした

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コメント(6)
  • ももも

    2024/10/29/03:41
  • おじいちゃんはどうなったんでしょうか

    2024/10/29/03:45
  • どこら辺だろうどこら辺だろう

    2024/10/29/03:46
  • ささめのやつか

    2024/10/29/03:46
  • その後どうなったの

    2024/10/29/16:35
  • 良き

    2024/10/30/03:25

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