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心霊

cocoroさんによる心霊にまつわる怖い話の投稿です

亡くなったおじいちゃん 
短編 2023/02/08 15:42 836view

これは、おじいちゃんが癌で亡くなり、お葬式も終わって、おじいちゃんの家で私の父とその父の兄弟2人が片付けのために泊まった時のお話です。

仏壇がある部屋の隣の部屋でみんなでお酒を飲んで、わいわいやっていたら、襖がすーっと開く音がしました。
みんな、酔っぱらっていましたが、音はさすがに聞こえたようで自分達3人以外は誰もいなかったので泥棒でも入ってきたのかと、その場が一瞬シーンとなったそうです。

音は仏間の方から聞こえたのですが、お葬式が済んだ後に香料を狙った泥棒が入ることもありました。
飲んでいた部屋は仏間と襖続きになっていてそこも襖も閉め切っていました。

仏間と飲んでいる部屋は廊下でつながっていて廊下へは仏間からは襖を開けて、飲んでいる部屋からは引き戸を開けて出ることができました。
仏間に誰かが入ってきたと思った3人は私の父が襖を開けて、残りの二人はその辺のほうきや武器になるようなものを持って応戦体制で構えました。

父が思い切って襖を開けると、部屋の中には誰もおらず、静まり返っています。
泥棒がいなかったことに拍子抜けして、ほっとしたのは良かったのですが、廊下に逃げたか?と思って、3人で急いで家中探しました。

でも、どこにも侵入者は見当たりませんでした。
もちろん、玄関の鍵も裏口の鍵も外に通じるドアの鍵はすべて閉まっていました。

では、さっきの襖の音は何だったのか…。

酔っぱらって聞き間違えたというには、みんなが音を聞いているから間違いないし。
子供達3人だけで部屋を閉め切ってお酒を飲んでいたので、お酒が大好きだったおじいちゃんは、台所に自分の好きなお酒を取りに行ったのか。

部屋から出ていった音だったのか、部屋に入ってきた音だったのか。
泥棒じゃなかったから、まあよしとして、亡くなったおじいちゃんが一緒に飲みたかったのかなあなんて話で、仏壇にお酒を供えて襖も開けて飲み直したそうです。

そして、その夜、みんなで川の字になって兄弟水入らずで仏間で寝ていると、また、父の耳に廊下側の襖の開く音が聞こえたそうです。
起きようとしましたが、金縛りになったように体が動かず、お酒が入っているためか、どうにも眠気に負けてしまい、気にはなるけれどそのまま眠ってしまって朝を迎えたそうです。

朝起きて、一緒に寝ていた兄弟にその話をすると皆やはり同じころ襖の開く音を聞いたそうです。
そして、同じように体が動かず、眠気に勝てず、眠ってしまい朝を迎えたのでした。

もちろん、香料は盗まれていませんでした。
仲良く寝ている子供たちを亡くなったおじいちゃんが見に来たのでしょうか…。

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コメント(1)
  • 香典

    2023/02/08/22:47

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