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呪い・祟り

HODさんによる呪い・祟りにまつわる怖い話の投稿です

わらう女
長編 2022/07/11 10:39 5,700view
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何度も目をこすり見直すのですが、やはり女性のシルエットに見えます。

気味が悪くなり、その日は早めに帰宅することにしました。

家に帰り、あれは何だったのだろう、と思いながら、母に心配かけまいと黙っていました。

今日は早かったのね、おかえり、と母が言い、

うん、ちょっと疲れて、お風呂に入るね、と返事して湯船につかりました。

湯船につかっていると、ドアのすりガラスに人影が見え、柳の木のシルエットを思い出し、

飛び上がる勢いでお風呂から出ました。

すると、ドアの前にいたのは母でした。母が妙に緊張した顔で、いま、その、と言いました。

どうしたの?人影かと思ってびっくりしちゃった、と私が言うと、

見たの?!人影!と母が言います。

いや、だから人影と思ったらお母さんだったよ、と返しましたが、

母は、早く服を着て仏間にきなさい、と叫ぶように言いました。

訳もわからず、仏間に行くと、母が正座をしていました。

あのね、いまね、髪の長い女が、と母が口にした瞬間ゾワッと鳥肌が立ちました。

髪の長い女?と私もすぐに聞き返し、実は、今日塾の前の柳の木がなぜか女性のシルエットに見えて、と説明しました。

母は、黙って聞いてくれ、

さっきねお風呂の前で髪の長い女が、ケタケタケタッて感じであなたのほうを指差して嗤ってたのよ、

どすぐろい影のかたまりなんだけど、絶対髪の長い女。嘲笑うかのようだった。

塾がうまくいかないのが心底楽しくて仕方ない、そんな感じで嗤ってたのよ!と母は興奮して半ば叫び声に近い感じになっていました。

私は、柳の木?そういえば、電話も柳の木の近くでうまくいかなかった、そこになにかあるの?

でもどうして?塾をするのに何がいけないの?と疑問だらけでしたが、ずっとトラブル続きだったこと、

塾生が集まらなかったこと、髪の長い女性の存在を私も母も感じたことで、塾を閉める決心がつきました。その後、塾が閉まると、なぜか葬儀屋も閉まりその建物は一階も二階も空室となりました。

塾を閉めると不思議とトラブルも体の不調もなくなり、姪っ子も以前のように私に懐きました。

たったの3ヶ月でしたが、これが変なことばかりが続いた私の塾の顛末です。

その後、別の場所ではじめた塾はスタートからすんなり生徒が集まり、やはりあの場所の建物になにかあったのかな、と思わざるをえません。

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