ゴミ置き場の女

（祖母がAさんの旦那さんに説明する）
Aさん旦那『あなたの息子さんも見たんですか。ワシだけかと思っていました。実は昨晩、白い女がゴミ置き場の前に立っているのを見たんですよ。』
祖母「本当に？そんなことが・・・誰なんでしょう。心当たりはありますか。」
Aさん旦那『白いぼやっとした人だったから、ワシも自分の見間違いかと思って妻にも話して無かったんですよ。ここら辺であんな雰囲気の女は見たことが無いですし。』
祖母「何時ごろでしたか。」
Aさん旦那『夜中の２時ごろですかね。とにかく夜中にワシもトイレに行って、その時に見たんですよ。』

父は自分の見間違いだと思っていたので、祖母の話にしばらく絶句していました。
しかし、Aさんの旦那さんが女を見た夜中2時は、自分もトイレに入っていた時間。
ぴったり重なるのです。

あの凍てつくような寒さの中で誰が何のために立っていたというのでしょうか。
それを考えるとどうも生身の人間じゃないと思う、と父は話してくれました。