夜中の行列
投稿者:マツシタ (2)
短編
2022/06/18
12:42
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私が7つの頃です。
お恥ずかしい話ですが、まだ一人で寝るのが怖く、両親に挟まれて寝ておりました。
4つ上の兄は、いつも通り自分のベッドで寝ていました。
いつもの夜です。
両親の小声で目が覚めました。
父「何か聞こえるよな」
母「どこかで鐘鳴らしてる?」
確かに、ボーンボーンと鐘の音がします。
さほど遠くではなさそうです。
私「でもこの辺って神社あったっけ?」
父「○○神社かもしれないな。でも今日祭りでもないし…」
そうなのです。
この日は平日で、しかも時計を見ると夜中の2時。
私たち3人は戦慄しました。
父の「まあ大丈夫だろう。もう寝なさい」
という言葉で私は再び目をつむりました。
しかし、鐘の音は鳴りやみません。
…と遠くからお囃子のリズムが聞こえてきました。
『シャンシャン、リンリン、カン』
鈴の音や拍子木、シンバル、笛、様々な音がします。
私「何で夜中に楽器の音がするの?」
父と母に尋ねましたが、何も返答はなく、ただキツく抱きしめられました。
『スタスタスタ』
人の足音がします。
足音の数を数えると、7人くらいでしょうか。
寝室の向かいには細い生活道路があるのですが、東側から私たちの家に向かって歩いてきている音がします。
どんどんお囃子の音が大きくなってきているのです。
もう心臓ははちきれそうです。
いつもならユーモアたっぷりの父も口を噤んでいました。
…お囃子の音が一層大きくなった時、ふと音が止みました。
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