廃業した老人ホーム
投稿者:J2 (8)
以前投稿した内容と少しかぶりますが、私が学生の頃、ボランティア活動で3週間ほど老人ホームに行ったことがありました。
当時は仲が良かった友達と揉め事を起こしており、「3週間も学校に行かなくて済む!」と馬鹿なことで喜んでいた自分を思い返します。
自宅が近い同級生の友達と1歳年上の先輩の3人で老人ホームを訪問しました。
1日目はミーティングと職場見学ということで、椅子に腰かけて高齢者とお話する程度でした。
しかし、半日の活動を終えた辺りから友達の様子がおかしくなりました。
唇が青紫になり、ガタガタ小刻みに震えて「ヤバい。ヤバい。」と連呼しているのです。
あまりにしんどそうな友達に「ちょっと休んだら?」と声をかけましたが、「いや、大丈夫。」の一言。
結局その日は活動を終え、翌日から友達はリタイアということで来なくなりました。
「何かに憑かれた?」と思いつつ、辺りは日の光が入った広いホールにお年寄りが集まっているだけ。
私には何がヤバかったのか理解できず、その後も友達はその時のことを教えてくれませんでした。
ボランティア活動2日目。
今度は一緒に来ていた先輩が変な行動をとり始めました。
真冬の2月に半袖を着て「寒い。寒い。」と言うのです。
「上着を着たらどうですか?」と言っても頑なに「いや、大丈夫。」と言うだけ。
3日目の朝、ボランティア担当者から「風邪を引いてリタイアになったと学校から聞きました。」と告げられました。
活動2日で2人がリタイア。あまりにも不自然なボランティア活動に私も不安を感じていました。
学校の先生からその日の晩、電話があり、こう言われました。
「大丈夫?今ならボランティア先変更できるから、無理せず言ってね。」
「あの、何かあったんですか?あの2人。」と言うと。
「いや、別に何かあったわけじゃないから。ボランティア先が少し肌に合わなかっただけよ。」
私が見ている限りでは「少し肌に合わない」という感じではありませんでした。
結局3週間リタイアせずに終了できたのは私だけ。
それも楽なものではありませんでした。
コールが鳴り、「今手が離せないから行ってもらって良い?」と職員さんに言われて行くとそこには誰もいない。
そして入った私を出迎えるように自動点灯の電気がつく。
人もいない真っ暗なトイレに、赤いコールランプだけが点滅している。
なぜかボランティアを終えて外に出ると全く知らない中年男性が待ち構えており、「今終わり?お疲れ様。」と挨拶してくる。
結局その人が何者だったのか分からない、聞けないまま終わった3週間。
色んな思いがあり、帰りは泣きながら家まで帰りました。
ボランティア記録を老人ホームに提出していたので数日後に取りに行き、帰ろうとした時。
※コメントは承認制のため反映まで時間がかかる場合があります。