姉の夫の「呪い」
投稿者:J2 (8)
私には歳の離れた姉がいます。
私が小学生の頃に姉は結婚し、家を出ていきました。
丁度その頃ぐらいから母の機嫌が悪い日が続き、当時は「お姉ちゃんがいなくなって寂しいのかな。」と思っていました。
次第に母の不機嫌さは増していき、私の姿を見ると急に怒鳴りつけるようになりました。
怖くなって自室に籠る日が続き、久々に帰省した姉に母のことを相談しました。
姉もどことなく疲れたような顔で「そっか。」とだけ言い、私の部屋に簡易的な鍵を取り付けてくれました。
「お母さんに怒られて怖かったら部屋に逃げたら良いから。それと、怖いだろうから鍵も使いな。」と姉から言われました。
私が中学に進学してからも母の不機嫌は続き、喧嘩になると自室に逃げて鍵を使って母から逃げるようにしていました。
中学3年生の春、高校進学に向けての勉強を考えた時に、母がいては集中できないと感じました。
友達に相談すると、「一緒に勉強しよう。」と言ってくれ、ファミレスや友達の家で勉強するようになりました。
無事進学先も決まって卒業を間近に控えた時のこと。
母が崩れるように泣き出し、これまでの怒りっぽさが嘘だったようにしおれました。
訳が分からず、泣きじゃくる母をなだめながらふと。
「こうなったのってお姉ちゃんが結婚してからじゃない?」と考えました。
もうここ数年は連絡を取っていなかった姉に電話すると、知らない間に姪が生まれていました。
「姪に会いたい!」と強くお願いし、家に行くことを拒む姉を説得して家に向かいました。
「どうぞ。」と暗い雰囲気で迎えてくれた姉の家に入ると、昼間なのに薄暗いような玄関が広がっていました。
部屋に入ると空気が一気に明るくなり、無邪気な様子で遊ぶ可愛い姪の姿がありました。
姪と遊ぶことに夢中になり小一時間。
トイレに行きたくなって廊下に出ました。
ふと、薄暗い廊下に差し込む光が見え、その部屋をそっと覗きました。
そこには姉の夫の姿がありました。
結婚前と別人のように太り、身体の大きさが2倍にも膨れたようになっていました。
ジャージ姿で無精ひげを生やし、何か本を見ながらブツブツと呟いています。
壁には無数のお面やら数珠のようなものが沢山飾られてありました。
お香のような、何とも言えない臭いが部屋中に充満して息ができない程の強烈な臭いを放っています。
悲鳴を上げそうになった瞬間、姉に肩を掴まれて無言でトイレまで誘導されました。
トイレにも何かの円陣のような模様が複数貼ってあり、意味不明なお札や盛り塩が置かれていました。
トイレを出てから姪と遊ぶ気にもなれず、逃げるように姉の家を出ました。
その数日後、姉とカフェで会ってあの時見たことを聞きました。
こういう状況でも離婚がすぐにはできないのだろうか?呪うとかは罪にならないのかな