姉の住んでいた曰く付きアパート
投稿者:J2 (8)
私には5歳上の姉がいます。
姉は高校卒業後早々に就職と一人暮らしを決め、実家を去っていきました。
そんな姉から数年ぶりに連絡があり、引っ越しをするから手伝ってほしいと言われました。
あまりにも急だったため、「なんでそんなに急なの?」と言うと、姉が引っ越しの理由を語り出しました。
姉の隣の部屋に住むのは50代ぐらいの夫婦だそうです。
いつも大きな声で電話をしたり、ベランダに出ると話しかけてきて洗濯が進まないなど、不便があったそうです。
しかし、最近はそれだけではなくもっと大きな迷惑行為が増えたとのこと。
夜中に家具を倒したかのような騒音が朝方まで続く。
壁を叩くような音が断続的に続くなど、騒音がさらに大きくなったらしいです。
「とりあえず、引っ越しの話の前に1回こっちに帰って来たら?」と姉を実家に呼び戻しました。
ダイエットに成功して彼氏ができたと自慢していた姉の姿は消え去っていました。
ダイエット後から20キロリバウンドし、彼氏と別れてやけ酒を始め、アルコール依存症になった姉の姿がありました。
「どれもこれも隣人のせいだ。」と恨み深い顔で私を睨みつける姉に恐怖を感じました。
姉が実家に戻ってきて1週間後。
姉は楽しそうな表情で不動産会社に連絡を入れ、あちこち内見をしていました。
姉の荷物を簡単にで良いからまとめて持って来てほしいと頼まれ、私が姉の住んでいたアパートに行くことになりました。
新築で外装がオシャレな姉のアパート前に車を停めて鍵を開けた瞬間。あまりの酷さに驚きました。
まるで大震災でもあったかのように物が散らばり、タンスやテレビなどの家具の一部は倒れていました。
怖くなって姉に連絡。空き巣じゃないかと警察を呼ぶことになりました。
警察の調べでは人が入った形跡はないとのこと。
自力で片付けられるほどの惨状ではないため、業者に依頼することにしました。
無事姉の引っ越しの準備が順調に進み、お隣へ挨拶に行くことになったある日のこと。
私と姉の2人でお隣の部屋のインターホンを鳴らしました。
出てきたのは髪が伸びきって目がうつろな初老の女性。
そしてその背後から生ごみを腐らせたような異臭がありました。
挨拶し、車に乗り込み、姉と顔を見合わせ、「警察か市役所の人に連絡した方が良いんじゃないか。」と決めました。
私たちの不安通り、姉の部屋の隣では精神状態の狂った50代女性と、死後1ヶ月は経過した50代男性が見つかったそうです。
酷さを増していた騒音も、何かしらの関係があったのではないかと思いました。
ただ、なぜあんなに姉の部屋が荒れていたのかは原因が分かっていません。
姉は引っ越し後少しずつ元気を取り戻しています。
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