給食配膳室の霊の祟り
投稿者:希子 (19)
田舎の小学校に通っていた時、「給食配膳室に、霊が出る」という噂話を聞いたことがあります。昔、夏休み直前にその給食室に閉じ込められたまま餓死した子どもがいて、その霊が出ると言う話でした。
その学校は、高度成長期ごろに作られて当時も老朽化が進んでいましたが、私が3年生の頃に給食配膳室の大規模なリノベーション工事を行う事になり、しばらくの間あたたかい食事が出せないという事が各家庭に通知されました。
ところがその工事が、当初の予定よりもずっと遅れ、パンと牛乳だけの簡単な給食が長く続きました。母親は「育ち盛りの子供にこんな昼食では…。」と心配していました。
何か月も経って、ようやく工事が終わった後、別の噂を聞きました。工事がここまで長引いた理由には、ある『発見』があったというのです。何が見つかったのかは誰もはっきり知りませんが、一部の生徒に対し、先生たちが「戦前・戦中の…」「考古学的な…」という難しい言葉で濁した説明をしていたようです。給食配膳室の地下に半世紀前の遺物が残っていて、その調査のために専門家が入ったのでしょうか。
「お腹をすかせて死んでしまった昔の人の霊が、自分たちに食べ物のありがたみをわからせるために工事を長引かせて、パンだけの冷たい食事を続けさせたんじゃないのか」というのが、私のクラスうちでの結論でした。
大人になってから、初めのバージョン「休み中に閉じ込められて餓死した霊」というのは全国的にもよく伝えられている話だという事を知ったので、むしろ工事の後に出てきた話の方が、真実性があるのかなと感じました。
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