俺は趣味で短編小説を書いているが、驚くほどに反応がない。
文章力は向上しているはずだが、それでも反応がない。
自分の趣味でやっているのだから、それでも構わないと思う反面、やはり人気のある人を羨ましく思う気持ちもある。
だから、読んでくれる人を増やすため、SNSで片っ端からフォローしたり、映えるスイーツの写真を上げたり、顔出しで生配信をしたりした。
それでも大した効果はなかった。
しかし、ある日、反応を貰う方法を思いついてしまった。
――一度聞いたら忘れられないような言葉を生み出せばいい。
言うのは簡単だが、行うのは難しい。
そんなことはわかっている。
なら、訓練すればいい。
炎上しているアカウントにリプライを送り付け、心を抉ればいい。
そうすれば、顔を真っ赤にして反論してくるだろう。
そしてさらに注目は集まり、俺の言葉もみんなに見てもらえる。
その中のごく一部でも俺の小説に興味を持ってもらえれば、今よりも前進できる。
それに、炎上してる奴にろくな奴はいないから、気に病むこともないし、金もかからず、俺の言葉の力を強くできる。
完璧な計画だった。
その夜から、俺はSNSで炎上しているアカウントを探しては、ひたすら心を抉る言葉を投げかけた。
『かわいければ許されたのにな』
『半端な学歴で何故そこまで自信が持てるんだ?』
なかなか思うようにはいかなかったが、少しずつではあるけどフォロワーは着実に増えていた。
方向性は間違っていなかったのだと、胸を撫で下ろした。
そして、その日は突然訪れた。
その日は新作のゲームの発売日だった。
予約票の写真を上げたり、開店と同時に店に行くとか予告してた。
俺の数少ないファンが来てくれるかも――なんて思ってた。
そして、店の前で声をかけられた。
目の前にいたのは、目を潤ませた中学生くらいの女の子だった。
手を後ろに組んでたから、プレゼントでも隠し持ってるのかな、なんて呑気に考えてた。
まあ、広義的にはプレゼントだったんだろうな。
目を伏せて、もたれかかってきたかと思ったら、腹に熱と痛みを感じた。
その痛みに立ってられず、俺は地面に膝をついた。
そして、彼女を見上げると――泣いていた。






















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