轟々と降り荒ぶ雨の音に目を覚ます。
眼前には見慣れない洋館風のホテルだろうか、そのエントランスであろう場所に私は居た。
灯りはなく、夜目が利くまで動けそうにはない。
状況を理解出来ず座りこけている間にも豪雨は嵐へと変わり、霹靂が耳を劈く。
もはや扉を開け外に出ようとする気は起きない。
かといって後方の階段を登り、未知へと至る
その気持ちも今の私には無い。
体が怠い。
心が重い。
そこにずっと居る私を責める某が無いのならば、このまま植物のように根付くことも吝かではなかった。
「大丈夫?」
喧騒の中に水を打ったように掛けられた声に体が跳ねた。
顔を見なくても分かる、それは母の声だ。
私の唯一の肉親。唯一の理解者。
ー大丈夫だよー
そう声にしたいが出来ない。
それでも私は安堵していた。
生涯の傍には母が居て、私に道を示してくれる。
私は示された道を歩んできた。
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