妻が僕の事を心の底から愛している事は、十分に理解している。
だから僕も、その妻の愛を受け入れ、結婚した。
「私達、これからもずっと2人一緒だね」
「ああ。最後の時まで一緒だ。身も心も」
「うん。もし私が先に死んじゃっても、一緒だよ」
結婚して数年。
そんな妻の愛は、僕の想像以上に大きかった。
束縛。誓約。干渉。
家庭の中でも外でも僕に自由は無かった。
それが結婚というものであれば、仕方が無いのだろう。
…だが正直。
妻の存在が重かった。
その妻が、突然に重篤な病に臥してしまった!
妻に死が訪れる…その今際の際で。
「私はこれからもずっとあなたと一緒にいるよ…。身も…心も…全部…」
それが妻の最後の言葉だった。
それから半年後。
…身体が重い。
…まるで何かに取り憑かれたかのように。
…全身が気怠く、痛みすら覚える。
病院での検査の結果…。
「あなたの身体の全身から悪性の細胞が発見され増殖を繰り返しています」
重篤な診断結果を告げられた。
…妻の愛は、僕の想像以上に重かった。
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