空きコマの間に少しでも課題すすめとこう、家に帰ったらぜったなんかだらだらしてしないしって学食でも行くかって移動してたんだ。
その日天気がすごくよくて、校舎の窓から外をふっと見下ろしたら自動販売機の前に男が一人いたんだ。
普通だったら気にしないような光景なんだけれど、俺がみたとき、たまたまなんだろうけれど。
そいつあたりをきょろきょろと伺うようなしぐさをしたもんだから ん? って思わず足を止めた。
普通あたりを伺うようなことなんて、やましいことがない限りしないじゃん。
よくないことする場面なんて、実際お見かけすることほぼないから。
俺は足を止めてついその光景を校舎からこっそり見てたんだ。
そしたらそいつズボンのポケットから手を出すと、釣銭のところに手を突っ込んだんだ。
学部によっては結構課題で忙しくてバイトも碌にできないってきいてたから、そいつもそのたぐいで釣銭あさりされるところ見られるの嫌だったのかってすぐに納得した。
男はもう一度きょろきょろとあたりを見渡すとどっかに行った。
俺も喉乾いたし、他に変わったことしたようには見えなかったけれど、なんか気になって俺はそいつがごそごそやってた自動販売機にやってきて1本買うことにしたんだけれど。
ちょうど金額をいれてボタンを押して俺はジュースを買ったんだけど、ふっとあいつがガチャガチャやってた釣銭が気になったんだ。
駅とか急いでいる人がいるところならおこぼれもあるかもしれないけれど。
大学生なんて時間があるし、金コマ率も高いから漁るにしてもここじゃないだろなんておもって、
ジュースを取り出すときにちらっと、取り出し口を見たらそこには500円が入ってた。
いつもだったら、ラッキーってそのまま手を伸ばしてやっちゃったと思うけれど。
その時はそういう気持ちにならなかったんだ。
どう考えても、このお金はお釣りのとり忘れではなくて、あいつが入れたんじゃないかって思うとなんか不気味だったんだ。
それになんか俺の勘が、これはやめとけってなんかいってきた。
あいつが何のためにここに入れたかわからないから。
下手に手にとった後で、おつり盗んだろとか難癖付けられても困るから。
俺は釣銭口をじっと見た後釣銭口を触ることなく、500円をスルーした。
自分がかった飲み物だけを手に取って、500円は触れもせずにその場を後にした。
ただ、そういうことがあると気になるじゃん。
なんで500円を入れたんだよとか。
あの500円どうなるんだろとか。
勘的にあの500円なんかすごくよろしくない感じがするってのもあった。
勘がそれほどいいほうでも、第六感がどうこう! みたいなことはこれまでなったとないけれど。
なんか妙にあれどうなるんだろうって気になってしまった。























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