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呪い・祟り

しゃくたんさんによる呪い・祟りにまつわる怖い話の投稿です

奪われた顔
短編 2025/09/19 10:14 1,327view

それは、いつもの帰宅路でのことだった。夜の帳が降りた住宅街。街灯の切れ目に差し掛かったとき、ぼくは道の向こうから歩いてくる女に気づいた。

彼女は、ぼくと同じくらいの年齢だろうか。特徴的なのは、その髪だった。黒く、艶やかな、まるで墨を溶かしたようなストレートのロングヘア。風もないのに、その髪がわずかに揺れているように見えた。

すれ違う瞬間、ぼくはなんとなく彼女の顔を見た。

しかし、ぼくの視界に入ってきたのは、ただの白いぼんやりとした塊だった。

目も、鼻も、口も、何も描かれていない。

ぼくは驚き、思わず立ち止まった。

だが、彼女はぼくのことなど気にも留めず、そのまま通り過ぎていった。

ぼくは恐怖と混乱で、その場に立ち尽くしていた。

「見間違いだ。疲れているんだ」

そう自分に言い聞かせ、早足で家路についた。

翌日、ぼくは昨夜の出来事を友人に話した。

「そんな幽霊みたいな話、信じられるわけないだろ」

友人は笑い飛ばしたが、ぼくの胸のざわつきは収まらなかった。

その夜も、ぼくは同じ道を通って帰った。

街灯の切れ目に差し掛かったとき、再び彼女の姿が見えた。

昨日と同じ、黒いロングヘアの女。

今度は、怖くて顔を見ることができない。

うつむいて、早足で彼女を追い越そうとした。

だが、その瞬間、ぼくの耳元で、はっきりとした声が聞こえた。

ぼくは息を呑み、反射的に顔を上げた。

そこに立っていたのは、やはり顔のない女だった。

だが、その白いぼんやりとした表面には、くっきりと、ぼくの顔が浮かび上がっている。

恐怖で声も出ない。

ぼくは全速力で走り、家に駆け込んだ。

鍵を閉め、部屋の明かりをすべてつけた。

そして、恐る恐る鏡を覗いた。

翌朝、目が覚めると、ぼくは奇妙な感覚に襲われた。

自分の顔が、まるでぼんやりとした白い塊になってしまったような、漠然とした不安。

鏡を見ると、そこにはいつものぼくの顔が映っている。

だが、ぼくには確信があった。

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コメント(1)
  • すごい!😎

    2025/09/24/18:15

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