鏡の中のぼくは、ぼくではない。
あれは、あの女が、ぼくの顔を借りて作った、偽りの顔なのだ。
そして、ある日、友人がぼくの家を訪ねてきた。
ぼくは、友人の顔を見て、固まった。
友人の顔が、ぼくとまったく同じ顔になっていたのだ。
その瞬間、ぼくはすべてを悟った。
あの女は、顔を交換する。
そして、彼女に顔を奪われた人間は、自分の顔が、まるで借り物の顔のように見えてしまう。
そして、ぼくは気づいてしまった。
ぼくの顔は、もう、ぼくのものではない。
そして、ぼくの友人も、あの女に顔を奪われてしまったのだ。
今、ぼくの目の前には、ぼくとまったく同じ顔をした友人が立っている。
友人は、楽しそうに笑っている。
「これで、もう一人じゃないね」
友人の声は、ぼくの声にそっくりだった。
いや、ぼくの声そのものだった。
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