異世界転生に憧れた後輩
投稿者:miya (2)
俺は自動車整備工場で整備士として働いている36歳の独身男。
入れ替わりの多い業界だが、昔と違い収入が増えてきているのと、特に転職する理由も
無いのでずっと働いている。
ある程度年を重ねると、肉体的に厳しくなり販売担当に移行する先輩も多い中、機械いじりが好きな俺は、可能な限り現役でやっていくつもりだ。
ある日、新卒で入って来た男の子が居るのだが、名を高山(仮名)といい、とにかく真面目な印象だった。
頭はかなり良いと思う。こちらが教えた事はすぐに吸収し、作業スケジュールの段取りや、部品の発注などもすぐに出来るようになった。
ただ1つだけ問題が有るとするのなら・・・高山がかなりの「オタク」だという事だ。
漫画やアニメ、ゲームなどが大好きで、よくアニメを見ながら昼食を摂っている。
耳にワイヤレスイヤホンを付け、「話しかけるなオーラ」を出しているが、休憩中は何をしようが自由だ。
こちらも正直「今の子だな」くらいにしか思わない。
俺はそっち方面は全く興味が無いので、特に何とも思ってなかった。
ある日、高山に仕事の事で段取りを教えていた時に、「メッセージだよん♪」
と言う女性の声が聞こえた。
俺は「え、何?」と反応したら、高山は「あ、すいません自分です」と頭を下げた。
スマホをマナーモードにするのを忘れていたそうだ。
俺は今の女性の声に聞き覚えが有った。
映画の吹き替えなどにもよく出てくる有名声優・・・だと思うんだが自信が無い。
高山に「今の声って・・・声優○○さん??」と聞いたら、目を丸くして
「え!!知ってるんですか!??そうです○○さんです!!」
と嬉しそうな顔で返してきた。
この会話が引き金となり、高山は漫画やアニメの話を俺によくするようになった。
正直ウザいレベルで、食い気味におすすめ作品を紹介してくる。
すごく面白いです。
書き方もわかりやすくて、すごいと思います。