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妖怪・風習・伝奇

たちさんによる妖怪・風習・伝奇にまつわる怖い話の投稿です

ヒミツの特訓
短編 2024/11/19 21:48 178view

私が小学生の頃、親や先生、地域の方々が
「18時過ぎたら必ず家に帰ること」
とよく言われていました。
当時の私は、
「まぁ、17時のチャイムが鳴ったら帰るしな」
「なんで、大人はみんな言うのだろう?」
と思っていました。
両親に聞いても詳細は教えてくれず、約束事だからということしか言いませんでした。

30年後のある日、私は連休を使い、地元に帰省していました。
夜は、地元にある居酒屋に行きました。
そこでたまたま、小学生の頃の担任にお会いすることがありました。
「T先生?」とお聞きしたら、こちらを向いて、

「おー、久しぶり。」
「父さん、元気か?」
と私のことを覚えていてくれました。
T先生は私の父の後輩で、小学生の時にそのことを聞いて知っていました。
隣に座らせて頂き、簡単に近況報告をしたりして懐かしい気持ちになりました。

私は小学生の時に抱いていた疑問を思い出し、先生に聞いてみることにしました。
「先生。小学生の時、18時過ぎたら帰るようにって周りからよく言われて育ってきたけど、あれはどういう理由なんですか?」
今まで少し酔っていた先生の表情が少し変わり、
「ああ、あれな。昔にあった事故が原因なんだよ。」
私は、「事件?学校でですか?」
先生は頷き、話し始めました。
「小学校に鉄棒なかったの覚えているか?昔はあったんだけど、事故が多発して、対策のしようがないということで撤去することにしたんだ。」

私は学校の校庭を思い出しながら、
「あ、確かになかったですね…別に無くても困るものではなかったので当時は気にもしませんでしたよ。」と答えました。
「鉄棒で怪我する子が多かったんですか?」
と私は聞きました。
先生はゆっくりと話始めました。
「そう。当初は、たまたまの事故だと思っていたらしいが、それが続いたんだ。おかしいと感じた当時の先生方は、怪我をした子達に聞き込みをして対策をすることにした。すると、共通していることがあるのに気付いたんだ。」
私は、「共通点?握り方とか鉄棒が滑りやすいとか、ですか?」
先生は首を横に振り、話を続けました。
「みんな、ある子供に鉄棒の技を教えてもらっていたということがわかったんだ。
教えてもらった技を他の人に披露すると大怪我をしたんだ。」
私は、
「危ない技を教えてたんですね。」
「技を教えてた子は、すごく怒られたでしょうね」と言うと、先生は奇妙なことを言い始めました。

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