ヒミツの特訓
投稿者:たち (12)
「教えてた子はいないんだ。」
私は、「えっ?」と言い困惑しました。
「この世にはいないと言った方がいいかな。存在していない子供にみんな技を教えてもらっていたんだ。」
私はますます困惑し、
「えっ?どういうことです?幽霊ですか?」
先生は、
「おそらく…怪我をした子はみんな年代がバラバラで、怪我をした子が卒業してもまた新たに怪我をする子が出てきてしまうんだよ。
ある人は、鉄棒をしながら誰かと話をしながら練習している光景を見たらしい。」
私は鳥肌が立ち、
「そんなことがあったのか。小学生の時、鉄棒なくてよかった…」と心の中で思いました。
「18時はどんな関係が?」と先生に聞きました。
「どうやら、みんなその幽霊に、「ヒミツの特訓だね。また明日も同じ時間に練習しよう。」と言われてたらしい。それが18時過ぎ。」
私は、それでみんな18時過ぎには帰宅するように口うるさく言っていたのかと納得しました。
「先生、ありがとうございます。教えて頂いて。」と言い、
「でも、鉄棒を撤去したからもう大丈夫ですね。」と先生に続けて言うと、
「お前、今は地元にいるのか?」
私は「いいえ。今はたまたま帰省してただけで…」と言うと先生は、
「そうか…今でもその教えは続いてるんだぞ。なぜだと思う?」
私は少し考え、
「防犯的にいいことなので、そのまま継承してるとか。ですか?」
先生は、
「まぁ、それもある。」
「今も出るんだよ。」
「学校の鉄棒は撤去したから大丈夫だと思うが、他の学校でも霊が出て、同じように怪我人が出たんだよ」
私は少し信じられず、
「本当ですか?今でも?」
と驚きました。
「そうなんだ。だから、今もこの教えを続けているんだ。」
子供はヒミツというワードが好きだから、注意されていてもどこか惹かれてしまうんだろう。
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