舐める子ども
投稿者:nao (7)
朝起きると足の痛みがすっかりなくなっていた。
「俺は…、たしか足挫いて同僚に抱えられて…、」
その後の記憶がない。
「ま、いいか。不思議と痛みもないし…。それはいいとして変な夢見たなあ。今思い出しても気味が悪ぃ。髪の長い子ども?たぶんそう、子どもだ。髪がめちゃくちゃ長くて…そんでその長い髪で覆われた体がぐにゃっと曲がってて…そんでそんで自分の足を舐めてたっけ。もう不気味なんてもんじゃない。そんで、えーと、その子と何か話したような…何話たっけ?ああ、思い出せん…、もういい。なんか背筋がさむくなってきた」
昼間、足も治ったので近所の公園へ散歩に出かけた。
ほんと昨日の足の痛みがウソのようだ。むしろ軽やかだ笑。
しばらく歩いて公園に着くと視線の先に昨日夢に出てきたあの子に似た子が現れた。
似てるけどまさか。同一人物なら正夢?まさかまさか笑。
しかし…
まさかではなかった。なぜなら、その子も長い髪で覆われた体をくの字にぐにゃりと曲げて足を舐めていたのだ。
「これだ!この怪異な光景だ」
薄れたはずの昨日の夢がだんだんと蘇ってきた。もう恐怖心より好奇心が勝っていた。
その子が何か言っているようだったので駆け寄ると、
「足が痛い、足が痛いよ。足が痛いの、おじさん。おじさんは足痛くないの?」
「そうだ!こんな感じの話だ」
「お、おじさんは大丈夫。キミ大丈夫?」
「…」
「どうして舐めてんの?」
ネコっぽいですね
足が治るのは良い事だが、怖きもですね。
怖すぎる