真夜中の救急車
投稿者:nao (7)
短編
2023/12/05
20:30
2,998view
真夜中、救急車のサイレンがけたたましく鳴り響いた。
「うるせーな!何時だと思ってんだ。まったく!」
「もうちょい音量を下げろよ」
「安眠妨害で睡眠不足になって病気になって…、そんで救急車で運ばれることになったらどうしてくれるだ。まったく!」
「俺は救急車なんて絶対呼ばねーぞ!乗らねーぞ!」
さらにサイレンの音が大きくなりどんどん近くに迫ってきた。
「おいおいおい、うちか?うちなのか?うちのアパートなのか?もー、まったく!」
サイレンの音が止まった。
「げっ、マジかぁー!やっぱうちのアパートじゃん。最悪!」
「誰だよ?どこだよ?まったく!」
あっという間に救急隊員の階段を駆け上がる足音が近づいてくる。
「これ、結構ヤバいな。何人も駆け上がってくる。事故?事件?こりゃただ事じゃないぞ。巻き添えにでもなったらどーすんだよぉー、まったく!」
複数の足音がうちのドアの前で止まった。
「マジ?」
「ドンドンドンドン!!」
ドアが壊れるくらいの音だ。
腹も立ったがもうそれどころじゃない。これはもう恐怖でしかない。
俺は恐る恐るのぞき穴を覗いてみた。
この話は怖かったですか?
怖いに投票する 10票
※コメントは承認制のため反映まで時間がかかる場合があります。