シンクロニシティ
投稿者:nao (7)
短編
2023/12/21
19:20
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その日僕は山手線で代々木へ向かっていた。
つり革の先の電車広告をボーっと見ていると墓石の広告が目に留まった。
蒼井家代々の墓。
「え?蒼井家って、よりにもよって縁起でもない」
「あれ?このお墓どことなくうちのお墓に似てるような」
「そう言えばもう何年も田舎に帰ってない。お墓参りもぜんぜんだ。長男なのにとんだ罰当たりなヤツだ」と自分を詰った。
と、そのとき携帯が鳴った。
母親からだ。
「ナオ?」
「何?珍しいね、どうした?」
「おじいちゃんがさっき亡くなったのよ。朝はまだ元気だったのにね。突然よ」
「…」
「ナオ?ナオ?聞いてる?ナオ?」
僕はふたたび墓石の広告をボーっと見ていた。
FIN
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