陰謀論
投稿者:四川獅門 (33)
体験者:若林 サヤ(仮名)
「私の元彼の話なんですけど━━」
当時、若林さんには同棲している彼氏がいた。
彼の名前を杉田さんとしておく。
杉田さんは温厚で真面目な性格だったが、ある事件を境に変わってしまった。
大きな地震、そして親友の死だ。
それ以来彼は神経質で怒りっぽくなった。
それと同時に彼は妙な事を言うようになった。
「サヤさあ、人工地震って知ってる?」
「え?まー君そういうの信じてるの?」
彼が言うには、大地震のいくつかは人工的に起こされたもので、人が住まなくなった被災地を買い取る為に行っている。
という話だった。
どうも彼は、地震について調べるうちに「陰謀論」にハマってしまったらしい。
突拍子もない話に若林さんは驚いたが、そのうち落ち着くだろうとタカを括っていた。
ある日、若林さんがアパートに帰ると、家の中に見慣れない物があった。
ウォーターサーバーだ。
「まー君、これどうしたの?」
「ああ、水道水は脳の松果体にダメージを与えるから、今度からこっちを使おう」
冷蔵庫を見ると牛乳も全て廃棄されていた。
彼いわく、牛乳と水道水は脳に悪影響を及ぼすらしい。
若林さんは彼との暮らしが少し不安になった。
それからしばらくしても、彼の「研究」は終わらなかった。
飛行機を見ればケムトレイル(戦闘機等を使って地上に有害な物質を散布しているとする陰謀論)の話をし、ニュースを見れば全て陰謀論と繋げて語った。
ある日、若林さんがアパートへ帰ると、真っ暗な部屋の中で杉田さんが震えていた。
「まー君!?どうしたの!?」
「目をつけられた……。調べ回ってるのがバレたんだ……」
若林さんは、もう「いよいよ」だと思い病院にかかる事を提案した。
しかし杉田さんは聞く耳を持たなかった。
「俺は、『アナンシス』の工作員に追われてる。ここは危ないから、実家に帰ってくれ」
統合失調症ですね。
薬飲んでれば良くなるよ(´・ω・`)
語り手もかわいそうに
オチがいいね
おおなかなか怖くて良いね
どこまでが妄想だったのか分からないのがまた良い
案外本当だったりして。
赤いコートにガスマスクて忍ぶ気ゼロでワロ
なんJ民ですね わかります
最初、統合失調症の症状なのかと思いましたが、妄想が現実化したのかもしれませんね。
タルパというやつですね。それか彼女さんもだんだん心が病んでいたから、赤いコートを着たガスマスクの女性が見えたのでしょうか……。