霊媒師の修行場
投稿者:にゃん某 (9)
これは、私の先輩が、地元の有名な心霊スポットを訪れたときの出来事です。
私の先輩は大のホラー好きで、よく周りに地元の噂話や人に聞いた体験談などを話していました。ある日、中でも一番怖かったという、先輩自身が体験した話を聞くことができました。
ある日の夜、先輩とその友人の計4人は、北部にある心霊スポットへ足を運びました。そこは地元の人なら1度は聞いたことがあるような有名な場所です。
地元の霊媒師たちが修行をする場所らしく、一般の人は足を踏み入れてはならない、と噂されていました。
友人のAが運転し、助手席に先輩、後部座席に友人BとCの2人が乗っていました。23時頃に出発し、目的地へ着く頃には深夜0時を回っていました。怖さを紛らわすために、車内では明るい曲を流し続けていたそうです。
到着すると、4人は車を降りて、各々ケータイのライトや懐中電灯で足元を照らし、ゆっくりと歩き始めました。5分ほど歩くと、霊の目撃情報が最も多いとされる地点に辿り着きました。
霊媒師たちが使用しているであろう場所は、ある程度綺麗にされていましたが、それ以外の場所は草が生い茂っており、何とも言えない雰囲気が漂っています。
「修行場って言うけど、今日は誰もいないな~。」
Bがそう言いました。自分たち以外に人の気配はありません。そして、4人とも特に霊感は無いためか、異変を感じることもありませんでした。
「このまま何も無いっていうのもあれだし、一応写真撮って帰ろうぜ。」
心霊写真を狙っているのか、Aがニヤニヤした顔で提案しました。4人は、地面にケータイを立て、修行場をバックにして写真を撮りました。
帰りも行きと同様、Aが運転することになりました。エンジンをかけ、ライトをつけた瞬間、Aが「うわあああ!!」と急に叫び声をあげました。
他の3人が何事かと前を向くと、3人の老婆と思われる存在が車の前を左から右へと渡っていたのです。
先輩たちの存在に気付いた老婆たちは、暫く固まり、バッ!と全く同じタイミングでこちらを見ました。「ぎゃあああ!!!」4人は叫びながら、急いで来た道を戻りました。
Aはエンジンを強く踏みこみ、かなりスピードを出しています。何とか4人はAの家に辿り着きました。あまりの怖さに、暫く誰も話せません。今日はそのままAの家に泊まることになりました。
次の日の朝、先輩が目を覚ますと、他の3人はまだ眠り続けていました。ひどく疲れていた先輩は、壁にもたれ、目を閉じて休むことにしました。すると、あることを思い出したのです。昨日の写真です。
先輩のケータイで撮ったので、恐る恐る自分のケータイのフォルダを開きました。「………!!」先輩は、声にならない叫び声をあげました。
笑顔の4人が並んでいる後ろ。修行場の方に、生気の無い老婆が映っていたのです。よく見ると、離れたところに一人、もう一人、全部で3人の老婆が映り込んでいます。
昨日車に乗った時に見た3人の老婆を思い出し、先輩はとんでもない恐怖を感じました。そして、これは霊なのだと確信しました。写真を撮った場所から車がある場所まで、老婆がついて来ていたことになります。
しかし、最初から最後までそこには自分たち4人しかいなかったはずです。先輩は、Aたちに写真のことを話そうか迷いましたが、きっと怖がってしまうと思い、未だにこのことを3人に伝えていないそうです。
エンジン踏んでも、スピードは出ない。
↑確かにワロタ笑笑アクセルだよな笑
先輩たちの身に霊障が出てなくて良かったね。