グラウンドの下に居たもの
投稿者:りー (118)
短編
2022/09/23
15:42
930view
私が中学生の頃の話です。
当時私は陸上部に入っており日々グラウンドを走って汗を流していました。
グラウンドには端に木の生えた所があり本来そこは木陰になって心地よい場所のはずなのに何故かそこへ行くと嫌な感じがしました。
極力そこへは近づかない様に練習していたら、ある日野球部の子がその付近で倒れてしまいました。
原因は熱中症です。
しかし不思議な事にその子は他の子と同じように水分補給をして適度な休憩も取っていました。
直前まで普通に練習出来ていたのです。
それにその日は真夏日でもありませんでした。
他の部員も疲れてはいるものの倒れる様な雰囲気はありません。
なぜその子だけがそうなったのかは分からず仕舞いでした。
その謎が解けたのは数か月後です。
グラウンド整備の為に業者が土を掘り返していたら、あの木の付近で白骨が見つかったのです。
死後50年以上は経っているそうで恐らく戦時による犠牲者だろうと結論づけられました。
だからあの木の近くは嫌な感じがして体調が悪くなる生徒もいたのです。
きっと土の中から「私を見つけて」と必死に訴えていたのでしょう。
その後白骨は近くのお寺に無縁仏として埋葬されました。
それ以降あの木の付近で怪奇現象は起きていません。
前のページ
1/1
この話は怖かったですか?
怖いに投票する 8票
やっと成仏できたのですね。