トイレの君子さん

私の地元はど田舎なのですが、トイレの花子さんならぬ「トイレの君子さん」という怖い話があります。

学校卒業後にこれを誰に話しても「なにそれ知らない」というので、多分うちの学校だけの七不思議だと思うのですが、その話がとても不気味で怖いのです。

もともとトイレの君子さんというのは、いじめを苦に小学4年生で自殺した女の子の幽霊らしいです。

苗字は分かりませんが名前は君子さんと言って、ぽっちゃり太って髪の毛も天パで伸ばしていたらしく、「キモ子」とクラスメイトからからかわれて、いじめられていらしいのです。

厄介なのは君子さんは花子さんみたいにトイレを外から叩いて呼ぶんじゃないんです。

トイレに入っているときに、外から「トントントン」と叩かれます。

で、「あっそびましょ～」とひび割れた声で誘われるのです。

このときに「無視」したり、「無理」とか「嫌だ」とか拒否するような言葉を放ってはいけません。君子さんが傷つく言葉はNGなのです。そうすればトイレの便器から出てきた君子さんにトイレに引きずり込まれるという残酷な最期が待っています。

定番は「お腹が痛いからごめん」とか自分の不調を訴えれば誤魔化せるらしいです。「ちょっと待って」と言って時間を稼いで出るといなくなっているという噂もありました。

その際、絶対言ったらいけないキーワードがあります。それが「キモイ」です。キモ子と虐められていた君子さんはその言葉に敏感で、それを言ったら最も惨たらしい最期を迎えるという噂です。

おそらく花子さんから派生して生まれたトイレの君子さん。私はこの七不思議が一番怖くて、恥ずかしいことですがトイレはほとんど一人では行けなかったです。