見違えたような容貌
投稿者:ぴ (414)
私の幼馴染は15歳のときにこの世を去りました。
お葬式で顔を見たときは本当に綺麗で目が覚めるような容貌だったことを覚えています。
私たちは同じ病院で生まれて、母同士が仲良くなりました。
そのまま幼稚園も一緒だったし、私たちも自然と友達になりました。
でも小さい時は驚くほど容姿が悪く、周りの子たちに煙たがられていました。
私は顔なんて気にしなくていいよと慰め、いつも幼馴染と一緒にいました。
それが小学校に上がった頃から、だんだんと幼馴染は綺麗になっていったのです。
不細工だった顔がどんどん成長とともに整っていきました。
綺麗になっていく幼馴染を羨ましがり、整形だと陰で悪口をいう子もいました。
でも私が見ている限り、整形なんてする暇はなかったと思います。
成長とともに幼馴染はどんどん美しくなっていきました。
幼馴染が綺麗になっていくと周りに集まってくる人もやがて変わっていきました。
幼馴染は私に「ずっと友達でいてほしい」と言いましたが、その頃になるとなんとなく隣に立っているのが申し訳ないような気持ちになり、幼馴染から次第に離れていきました。
中学校に入学する頃には、田舎では見れないような美少女になっており、周りからもちやほやされていました。
でもキラキラした人たちに囲まれているのに、幼馴染はちっとも楽しそうじゃありませんでした。
なんなら不細工だと虐められて私の後ろに隠れていた頃の彼女のほうがよっぽど楽しそうでした。
なんでだろうとずっと気にかかっていたのです。
あるときに学校帰りに幼馴染に話しかけられました。そして家に誘われたのです。
悩んだ末に断ろうとしたのですが、幼馴染が泣きそうになっていて、私は一緒に家にお邪魔することにしたのです。
幼馴染の家は昔見たまんまで変わっていませんでした。
性格もそのままだったし、変わったのは幼馴染の容貌だけでした。
そこで幼馴染と昔話をしました。幼馴染は楽しそうに話をしてくれました。
「私の顔、整形したように見える?」と幼馴染から突然聞かれました。
私が素直に違うと思うというと幼馴染は何か嬉しそうでした。
そしてよく分からない話を始めたのです。
なんでも彼女の家は美人薄命と言われているほど、美人が早く亡くなるのだそうです。
しかも決まって15歳で亡くなるという話を聞きました。
原因は病死、事故死、いろいろなんだそうです。
そんな馬鹿なと思ったけど、友達の親族の写真を見せられてびっくりしました。
みんな華々しいくらいに綺麗でした。それを見せられ、全員15歳で死んでいると言われて私は言葉に詰まりました。
綺麗になったのに早死には嫌ですね。