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キヒトさんによる心霊にまつわる怖い話の投稿です

優勝候補の先輩が事故に!不気味な出来事との関係性
短編 2021/02/02 21:07 1,739view

高校の時に人生で唯一アブノーマルな霊の仕業を傍観しました。それ以前もそれ以降もそういう体験をしたことがないので思い出すたびに記憶はおぼろげです。でも当時の部活のメンバーに会うと必ずその話題が出るので「やっぱり本当だったんだ」と再確認させられ、その度にゾッとしています。

高校時代、体操部に所属していました。1年生の時、大会で上位に進み福島県に遠征に行くことになりました。大会があったのは郡山だったと思うのですが、宿泊したホテルはそこから離れていたと思います。アクシデントはそのホテルで起きました。

築20年もしかすると30年とか40年じゃないかと思えるほど古い、躊躇なく言うならボロいホテルで中に入る前から皆でがっかりしたことを覚えています。入口は一応自動ドアでしたが年季が入ってる証という感じで埃の臭いで充満していました。部屋に行くともっとショックでした。かび臭くて「ここで寝るのか!」とテンションは完全に下がりました。窓から川が見えたのを覚えています。

遠征のメンバーは1年生、2年生の合わせて女子10人で全員の布団を部屋中に敷き詰めました。部活の雰囲気は一見良さそうに見えながら出場出来るのは4人だけなので、特に2年生は出れるか出れないかで実は結構裏ではドロドロみたいでした。どこに寝るかという話で、2年生の先輩2人が入口付近を希望してもめました。結局、翌日ゆかに出場する先輩が譲ることになり床の間に一番近い私の隣の場所に寝ることになりました。

神谷先輩は「トイレ近いから迷惑かけちゃうかも」と私にも気をつかってくれました。神谷先輩は小学校の時から体操習っていたというのもあり、一人だけ抜きに出ていて、私を含め1年生にとっては憧れの存在でした。「山下先輩は出ないんだから、譲ってあげればいいのに」と実は入口の場所をゲットした先輩を腹立たしく思っていました。

翌朝は早朝に会場に行かなきゃならないのもあり10時前に消灯しようかと言う時、一早く布団に入っていた神谷先輩が「何か足が重たい」と言うのです。びっくりして全員が注目しました。すると一年生ですら誰も殆ど話したことがない、ちょっと変わった雰囲気の一年生の由紀が「女の子が乗ってます」と呟きました。山下先輩が「やめてよ」と大声で返し。部屋中が女子の悲鳴で響き渡りました。神谷先輩を見ると顔が真っ青でした。

私だけじゃなく多くのメンバーが先輩に「何言っちゃった」と呆れていたに違いありませんが、その言葉が真実だったことが翌日の大会で分かりました。優勝候補だった神谷先輩が競技中に着地に失敗して足を骨折してしまったのです。誰も暫くは口にはしませんでしたが、私を含め皆がホテルでの出来事との関係性を疑っていたに違いありません。

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