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不思議体験

キヒトさんによる不思議体験にまつわる怖い話の投稿です

通夜の日、歩道橋で出会ったのは誰?
短編 2021/04/02 23:20 1,512view

小学6年生まで住んでいた団地を訪れた時に体験した怖い話です。
もともと霊感が強いとかじゃなく現実的な方なので何度も何度もその時を思い出して、本当にそれが起こったのか記憶を確認してしまいます。

年賀状のやり取りだけしていた友人が亡くなり、集会所の通夜に10歳の娘を連れて参加した時のことです。
団地を訪れたのは30年ぶりで駅からの道は当時より大分さびれていて道が分からなくなるほどでした。とても広い団地で一街区の外れに小学校がありました。
私と友人は二街区に住んでいたので、仲良し女子3人で6年間登校していました。
私と亡くなった友人は8号棟で一緒に14号棟のもうひとりの友人の家に寄って歩道橋を渡って一街区に向かっていました。
懐かしさもありそのコースを歩いて一街区の集会所に向かいました。

歩道橋の真ん中辺に喪服姿の細身の女性がいて下を見下ろしていました。通り過ぎようとすると「若菜ちゃん?」と声をかけられました。「もしかして雪乃ちゃん?」小学校の時の面影が残っていたのですぐに分かりました。14号棟に住んでいたもう一人の友人でした。
「何歳?」と娘に歳を聞いてきました「11歳」と娘が答えると「ここでよく遊んだね」、「遊んだ遊んだ手すりの上を歩いたり」。彼女とは年賀状のやり取りもしていなくて本当に引っ越して以来でした。「時間ぎりぎりになっちゃった」と私が言うと「急ごう」と雪乃ちゃんは走り出しました。彼女は運動神経がとてもよく運動会ではいつも一番リレーの選手で一緒に走るとついていけないの常でした。

後ろ姿がどんどん小さくなっていったのはこの時も当時と同じでした。娘とやっと集会所に着いた時には完全に見失っていました。亡くなった友人は20代くらいからずっと闘病生活を送ってきて独身だったので家族以外の参列者は僅かでした。雪乃ちゃんと話したいなと思って探しましたが見つかりませんでした。通夜の連絡をくれたお母さんに挨拶をしました。

「若菜ちゃんが先に来ていたはずなんですけど?」と聞くとちょっと間があり「山本若菜ちゃんのこと?」と言ったお母さんの表情に違和感を感じました。そして私が30年間全く知らなかったショッキングな事実を知らされました。雪乃ちゃんは私が引っ越してすぐにあの歩道橋から転落して亡くなったというのです。「若菜ちゃん?」と声をかけてきたあの女性は一体誰だったのか?私にはどう考えても雪乃ちゃんとしか思えません。

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コメント(2)
  • 途中名前間違ってませんか?

    2021/04/03/06:49
  • 入れ替わってる系の怖い話しやな!

    2021/04/04/11:16

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