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希子さんによる不思議体験にまつわる怖い話の投稿です

女子高の「トイレの生贄」
短編 2022/05/06 08:16 1,313view
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学生時代に友人から聞いた、人間の怖い話です。

その人は女子高校、それも結構なお嬢様学校に通っていました。
ところが個室トイレに入っていると、急に電気が消えて、ざぶっと上から水が降ってくる事があるらしいのです。その人はあっけにとられてしまうので、ハッと気が付いてドアを開けると、もう水をかけた犯人はいない…という事でした。こうして水をかけられた人が3年生だった場合、彼女は志望校に行く事ができないが、クラスの他の人たちはほぼ志望校に合格できるという言い伝えなんだそうです。陰湿ないじめ、嫌がらせのようにとれますが、その高校では慣習のようになってしまっていて、「トイレの生贄」と言われていました。

実際、友人のクラスでも水をかけられた子がいたそうです。学年一の秀才で努力家だったのですが、ずぶ濡れで教室に入ってきた時「こんなバカバカしいことする奴に、負けるわけない」と気丈にふるまっていたのですが、受験直前に体調を崩してしまい、追試も不合格。その後はずっと欠席で卒業式にも来ませんでした。

「それで、言い伝え通りに他の人は志望校へ行けたの?」と私が聞くと、友人は首を振りました。そこで初めて、友人自身が一浪した事を打ち明けられたのです。

人間が集団生活を送っていると、どうしても習慣や言い伝えに流されてしまう事は少なくありません。生贄だの祟りだのと、不安をやたらに煽るような噂話は、本当に有害なので恐ろしい限りです。数年たち、友人からまた聞いたところによると、現在その女子高では監視カメラが随所に導入されたそうです。

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