峠のトランスミッター
投稿者:サクライ44 (1)
これは5年前の話です。
私は埼玉県の秩父(秩父は埼玉の中でも山間地です。)にすんでいるのですが、群馬県の富岡(こちらも山間地です。)の友人のところにいくことになりました。
そこで通常なら254号という道路を使って平地を行くのですが、遊びに行くのでいつもとは違う山道をいくことにしました。
その道は富岡神流線。狭い山道ですれ違うのも大変な山道です。秩父から迂回せずに北上できる道を通ることにしました。
道が狭くなってくるのは群馬県立万場高校の付近からです。ここから更に北上すると周りに何もない山奥の荒れた道になります。周りには木々しかありません。
県境付近まで塩沢峠を登るとあたりが霧でたちこめてきました。
私は普段トランスミッターで電波を飛ばして音楽を聴いているのですが、、霧がでてきたとたん、音がザザザ…と乱れ始めました。
何か不具合が起こったのだろうとそのまま運転しているとお囃子の音が聞こえてきました。
車内に響く笛の音色、鼓を打つリズム、心地よい音楽でした。塩沢峠を越え、狭い山道を下り、霧がはれるとお囃子の音は聞こえなくなり、私が普段聞いているJ―POPの音楽にもどりました。
無事に友人の家につき、その話をすると、友人がおかしなことに気づきました。
『トランスミッターの音楽が変わるのって他の電波を拾うからだよね、峠付近に電波を発する車とすれちがった?』
あれ?私は峠を走っているとき対向車とすれちがっていないし、もちろん周りに民家はありません。一体何の電波を拾ったのでしょうか。
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