友達が中古の家を購入したということで、数人でお祝いに行きました。
一部リフォームはしたらしいのですが、予算の都合上、2階は手付かずのままらしいです。
「早く直したいんだけど」
友達はなんだかとても表情が暗くて、どうかしたのかと聞きました。すると、友達はとても深刻そうな顔をして、2階へと案内してくれました。
「たぶん、気のせいかもしれないんだけど」
と、前置きをしてから奥の部屋を見せてくれました。かなり広い和室なのですが、窓からはほとんど光が入ってこなくて、かなり暗い印象でした。そこの壁には、文字のような絵のような不思議な文字が並んでいました。
「こんな模様。最初はなかった気がするの」
友達は、心底不気味そうな顔をしました。
「それに、日に日に増えていくような気がして。主人に話しても気のせいだろなんて言って相手にしてくれないし。もう、嫌になっちゃう」
そこは日当たりも悪く、荷物は入れなかったみたいなんですが、壁の模様に気がついてからは、入るのさえ躊躇ったそうです。
「それに、この部屋。すごく冷えると思わない?」
確かに、季節は夏で窓も開けていないのに、かなり涼しい感じがしました。まるで、クーラーでも入っているかのように。
「私が考えすぎなのかもしれないけど、以前住んでいた人は、1年もたたないうちにこの家を手放したらしくて。知っていたら別の家にしたのに!」
友達はかなり参っているらしくて、私たちもどうしていいかわかりませんでした。
部屋を出るとき、ふと振り向くと、さっきまではなかった模様が増えて、私までゾッとしました。
友達は今もそこに住んでいます。
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