写ルンですに写ったもの
投稿者:無限者 (1)
短編
2020/11/23
00:15
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いとこたちの何人かが従兄の意見に賛同しはじめ、
結局私も最後には折れ、「心霊写真撮影会」に参加することになったのです。
とはいえ、所詮は小学生である私たち。
夜に山の中を出歩くことは親族が当然許してくれません。
撮影会は情緒も何もない真昼間に行われました。
墓石に向かってシャッターを切る。
墓場でポーズを決めてシャッターを切る。
そんな馬鹿馬鹿しい撮影会は、あっと言う間に終了。
どうせ何も写らない。
全員が昼間の墓場の中でそう思っていたと思います。
数日後、現像されてきた写真を手に、従兄は興奮していました。
写っていたのです。
殆ど全ての写真はごく普通の写真だったのですが、
たった一枚だけ、従兄が移った写真にそれは写っていました。
大股でガッツポーズを取る従兄の左の足首を
地面から生えたような骨ばった手が、がっしりと掴んでいたのです。
従兄は、これでテレビに出れる、芸能人に会えると大喜びでしたが、
私はただただ、ゾッとしました。
「足首に何もない? 大丈夫?」
そんなことを聞きましたが、なんともないの一点張り。
怖がりだなと笑われる始末でした。
2日後までは。
その日、山に虫を撮りに行った従兄が左足を引きずって帰ってきました。
山の中で足を滑らせて左の足首を怪我したのだと。
この話は怖かったですか?
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興味方位や好奇心、悪戯などで行くべきじゃないと思うわ、特に墓わね。
写真に移るってなんだよ…
一瞬文字通りの意味かと思っちまった。
めっちゃ怖かった