猫に小判
投稿者:キミ・ナンヤネン (88)
長編
2021/06/18
02:03
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祖母が新しい方ののし袋の裏を見ると「平成〇年〇月〇日」とあった。およそ4年前の日付だった。
「夫はこの頃は癌がひどくなって、もう長くないとわかっていた様子だったわ…。」
すると番頭さんが
「余命幾ばくもない社長が、会社の事もあるし、最後の望みとしてもう一度『捧げもの』をしたのではないですかね…。」
と言うと
「ところが、捧げものである猫がなぜか息を吹き返して、儀式としては未完成だった、つまり最後の願いは叶わなかった…。」
タレントは話をまとめ、収録が終わった。
撤収作業も終わり、スタッフの挨拶が終わると、父は最後に一言こう言った。
「金庫の中身は、猫に小判か…。」
ちなみに、この「〇〇教」は名前を変えて今も布教活動をしている。
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