今思えば、この違和感は、部室を片付けていた時にもあったのだ。
部屋の隅に置かれた、埃の積った段ボール…そこには、表紙に「合宿」だとか「飲み会」と書かれたアルバムが入っていた。
先代や先々代のものを殆ど知らなかった私は、興味津々でアルバムを開いた。
フィルムカメラで撮られた、ひと昔前の、部員の姿…マーカーで落書きされたものや、名前が書かれているものもある。
ふと、その中に…見覚えのある顔を見つけたのだ。
その人は、サイズの合った、清潔感のある白シャツとジーパンを纏い、優しい笑顔を浮かべている。
「我らがぶちょー!ひのりん♪」
「つぎはこいつ」
そう、マーカーで矢印を差されたその人は、印象こそ違えど、日野さんそのものだった。
アルバムから写真を取り出してまじまじと眺める。同姓の違う人とも思ったが、顔立ちは、私の知るあの日野さんだった。
ぶちょー!…部長?ああ!だからか…元部長だから、卒業後も気になってたんだ…
なんだ…めんどくさい人と思ってたけど、本当は…部活想いのいい人だった?
私は少し、安堵しながら次のアルバムを開く。先々代のアルバム、さらに前、そしてさらに前…
「つぎはこいつ」
「つぎはこいつ」
「つぎはこいつ」
「次期部長」を指しているのだとばかり思っていた。だってそうじゃないと、こんな文面書かないから。
何度も何度も、誰か一人の顔を差しては、そう書かれている。同じ人は居ない。
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