でも、それぞれの写真、その人の後ろには必ず…あの薄汚れたミリタリーコートに、黒いズボンに緑のサンダル姿の男が立っていた。
先々代の前には、その前の。先代の前には、先々代の、「つぎはこいつ」と名指しされた人達が、代々、同じ格好をして、ぼんやりとした顔で―――
そして、今。目の先には…
―――なあ、あ、オレOBの日野って言うんだけどー。今の部長ってダレ?あ、こいつ?次、こいつ?ふーん、そうかあー!つぎこいつねー!―――
「あーーよかった」
すぐ隣で聞き覚えのある声がして、思わず振り返る。
清潔感のある、サイズの合った白シャツにジーパン。切り揃えられた髪、柔和な笑顔…
「あいつ、最後だからなー。可哀そうなことしちゃったかなー」
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これが、一体どういう現象なのか分からない。だから正直、詳しい説明とか、考察とか、そういったことは一切できない。
そもそもあれは、スクリーンの陰に居たのは、本当に部長だったのか。
私の隣にいた人は…本当は誰だったのか、もう知る由も無い。
結局そのあと、私は店には一歩も入れないまま帰ってしまったから、「この現象」を知っている人が私だけなのか、それとも、他の同期にも実はいたのか、それすらも確かめる術はない。
映画も、同期と会えるのも、ずっと楽しみにしていた。
なのに…
皆、何か変だった。見た目も佇まいも、別に普通。そう、普通だったのに…何か…
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