「もう一度、気づかれてはいけません」
住職は僕の目を見た。
「もし見かけても、絶対に目を合わせないこと」
そして、最後にこう言った。
「二度と、その駅の地上ホームには降りないでください」
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それ以来、僕はその約束を守っている。
あの駅を利用するときは、必ず地下鉄側だけを使う。
地上ホームには近づかない。
向かいのホームも見ない。
そして、ホームドアのない駅では、できるだけ線路から離れて立つ。
今でも、ときどき思う。
最初に向かいのホームであれを見たとき。
僕は目を合わせなかった。
二度目も、すぐに目を逸らした。
でも、三度目に振り返った。
あの一瞬で、あれと僕の間に繋がりができた。
あれは最初から僕を狙っていたわけではない。
ただ、
自分と目が合う者を。
自分と波長の合う者を。
ずっと探していた。
そして、あの日。
たまたま僕が、その条件に当てはまってしまった。
もし地下ホームにホームドアがなかったら。
もし住職のところへ行かなかったら。
今頃、僕もあのホームにいるのだろうか。
首を折り、
手足をあり得ない方向へ曲げ、
生気のない顔で、
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