それから数年後。
祖母が、少し変わった夢を見るようになった。
「赤いワンピースを着た女の人がね……
すごく笑って、私に手招きしてくるのよ」
祖母は、不思議そうに話していた。
「ずーっと手招きしてるの……
私が見るんだから、何か意味があるのよ……
でも、こんな人、見たことないのよ……」
一体、何なのだろう。
祖母自身も分からなかった。
その夢は一度きりでは終わらなかった。
翌日も。
その翌日も。
そして、そのまた翌日も。
毎晩、毎晩、同じ女性が夢に現れた。
赤いワンピースを着た女性。
満面の笑みを浮かべながら
祖母に向かって手招きをしてくる。
毎日、毎日。
ずーっと同じ女性が現れる。
それが毎日毎日毎日毎日続いた。
そして
半年ほど経った頃。
祖母は、うつ病になった。
精神的な状態が悪化し
自ら命を絶つ危険があると判断されたため、医師の勧めで精神科に入院することになった。
それから祖母は、長い年月を精神の病と闘うことになった。
約30年。
祖母は完全に回復することなく、その生涯を終えた。
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