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心霊

キジニャンさんによる心霊にまつわる怖い話の投稿です

雨の日の競馬場
長編 2026/08/17 04:01 393view

その言葉だけを残して、叔父は帰っていった。

その夜、馬蹄の音はしなかった。

夢も見なかった。

ただ静かだった。

ーーーーーーーーーー

翌日、僕は競馬場の裏手へ向かった。

草に埋もれた小さな石碑。

名前もほとんど読めない。

それでも、そこに立った瞬間、なぜか胸が締め付けられた。

僕は手を合わせた。

「……もう、終わりにしてください」

そう呟いた。

晴れているのに、

雨粒が一滴、顔のそばに落ちた気がした。

それだけだった。

その日を境に、何も起きなくなった。

雨の日も、夢も、蹄の音も。

あの騎手は、もう現れない。

ただ、競馬場で見る最終レースだけは今でも少しだけ怖い。

それでも僕は、たまに思う。

あの騎手は本当に“祟り”だったのか。

それとも――

ただ、誰かに聞いてほしかっただけなのかもしれない、と。

8/8
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