「でもね、1本しか買えなかったのは理由があるの。1本買って取り出してる時に自販機の電気が落ちたんだよね…あれはビックリしてうみちゃんにひっぱられて走って逃げた…もう後ろなんか見れなかったよ…」
ずいぶん走ってそろそろ麓の灯りが見えた時にファンタグレープを分けあって飲んだのだ。
なんとなく口裏を合わせて皆には話さないように決めた。
あの時は二人ともそういう気分だったのだ。
あれ以降、事あるごとに二人の時は話題にはしたものだったが…
答え合わせをしていて一致した感想は、やはり女の子が鳥顔に見えたことだ。
もっともうみちゃんは言われてみて鳥より鳩の方が的確だと気づいたようだが…
やっぱり結論なんて出なかった…
意外と皆が真剣に聞いてくれたので、こっちもずいぶん口が滑らかになった。
「吊り橋効果じゃないけど、一時期うみちゃんとは相思相愛だったかもしれない。うん…」
女子の1人が言った。
「ああ、今うみちゃんが聞いてたら喜んでるかもね…」
別の女子が言った。
「でもさ…なんとなく鳩顔とかさ、ちょっと捉えようによってはコミカルに感じるからごまかされてるけど…
この話、自分に置き換えて想像したら、
めちゃめちゃ怖くない?…」
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