女の子は鳩みたいな顔をしていたのだ。
みたいなというのはかなり控えめな表現かもしれない。
本当に鳩がモジャモジャのカツラをかぶっているみたいなのだ。
「ど、どうしたのかな?もしかして迷っちゃった?」
うみちゃんは精一杯平静を装い女の子に話しかけた。
迷ってる訳じゃないのはうみちゃんもわかっていたはずだ。
自分はとにかく暗闇の中で鳩みたいな顔を凝視するしかなかった。
もう少し明るければもっと普通の顔に見えたのかもしれないが、その時は本当に鳩にしか見えなかった。
「ナニ…してるの…」
女の子が口を開いてギクッとした。
尋ねてるわりには全く知りたくなさそうなのが怖く、体中が総毛立った。
鳩みたいな顔がずっとこっちを見ている。
何の意思もなさそうな鳥としか言いようがない。
ただならぬ状況なのは明らかだが、イレギュラーすぎて最善の策が浮かばない。
ただ、腕を掴むうみちゃんの指先が震えているのに気づいた。
その時に急に我にかえってハッとした。
「先生みんな待ってるよ!もう行かないと!」
とにかくうみちゃんの体を抱えて早足でその場を去った…
話終えると喉かカラカラでサワーを煽った。
「あの時そんなことがあったんだ…あの時は全然気づかなかった…」
それを皮切りにひとしきり討論会みたいになった。
もっとも結論なんて出るわけないのだが。
「展望台に一台自販機があったでしょ?あそこでファンタグレープ飲んだのが忘れられない…」
「ああ、あったね!」
「その時にうみちゃんと間接キスした…」
エエーッ!!!!!と、沸いた。
























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