異変は六月の終わり。
夜中の二時頃だった。
外で鈴の音がした。
チリン。
チリン。
チリン。
風鈴ではない。
もっと小さい音。
神社で売っているような鈴。
私は窓を開けた。
真っ暗だった。
月も出ていない。
だが確かに聞こえる。
チリン。
チリン。
チリン。
山の方から。
ゆっくり近づいている。
私は耳を澄ませた。
すると音は急に止んだ。
—
翌朝。
近所の老人に聞いてみた。
すると老人は顔を曇らせた。
「聞いたのか」
「何です?」
「見なかったか」
「何を?」
老人は少し考えた。
そして言った。
この話は怖かったですか?
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