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心霊

黒豆さんによる心霊にまつわる怖い話の投稿です

ムラツバキ君
短編 2026/06/07 12:40 101view

「ここ、高校生の頃よく来たんだよ。ドリンクバーだけで何時間も粘ってさ」

そんな話をしていた時でした。

目の前でストローをくるくる回していた夫の手が、不意に止まりました。

そして顔がこわばったのです。

「どうしたの」

と言うと、

「いや、べつに」

と言います。

そのまま私の話を聞いているようでしたが、明らかに口数が減り、どこか上の空になっていました。

急に場の空気が変わったことに苛立った私は、

「急にどうしたの」
「なにかあったの」

と聞きました。
しかし夫はうつむいたまま、

「なにもない。そろそろ出よう」

と繰り返すばかりでした。

その時です。

ドン!

と窓が鳴りました。

驚いて窓の外を見ると、そこには垣根と見慣れた道路があるだけでした。

さっきまで笑い転げていた雰囲気とは一変し、気まずい空気のまま店を出ました。

駅までのバスを待っている間も夫は黙りこくっていて、私は私で不機嫌になっていました。

そしてお互い押し黙ったまま電車に乗り換え、地元の駅に着いた時でした。

夫が言いました。

「ごめん。ファミレスから感じ悪くて。なんか久々に変なの見たんだわ」

夫はいわゆる「霊感の強い人」だったので、ある意味ほっとした私は、

「なんだ、言ってよ。なに見たの?」

と聞きました。

すると夫は少し言いづらそうにしてから答えました。

「なんか、くるくるパーマで黒T黒パンの子ども。言いづらいんだけどさ、そいつが……おまえのこと睨みつけて窓ドンドン叩いてたんだわ」

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