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心霊

黒豆さんによる心霊にまつわる怖い話の投稿です

ムラツバキ君
短編 2026/06/07 12:40 2,655view
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「ここ、高校生の頃よく来たんだよ。ドリンクバーだけで何時間も粘ってさ」

そんな話をしていた時でした。

目の前でストローをくるくる回していた夫の手が、不意に止まりました。

そして顔がこわばったのです。

「どうしたの」

と言うと、

「いや、べつに」

と言います。

そのまま私の話を聞いているようでしたが、明らかに口数が減り、どこか上の空になっていました。

急に場の空気が変わったことに苛立った私は、

「急にどうしたの」
「なにかあったの」

と聞きました。
しかし夫はうつむいたまま、

「なにもない。そろそろ出よう」

と繰り返すばかりでした。

その時です。

ドン!

と窓が鳴りました。

驚いて窓の外を見ると、そこには垣根と見慣れた道路があるだけでした。

さっきまで笑い転げていた雰囲気とは一変し、気まずい空気のまま店を出ました。

駅までのバスを待っている間も夫は黙りこくっていて、私は私で不機嫌になっていました。

そしてお互い押し黙ったまま電車に乗り換え、地元の駅に着いた時でした。

夫が言いました。

「ごめん。ファミレスから感じ悪くて。なんか久々に変なの見たんだわ」

夫はいわゆる「霊感の強い人」だったので、ある意味ほっとした私は、

「なんだ、言ってよ。なに見たの?」

と聞きました。

すると夫は少し言いづらそうにしてから答えました。

「なんか、くるくるパーマで黒T黒パンの子ども。言いづらいんだけどさ、そいつが……おまえのこと睨みつけて窓ドンドン叩いてたんだわ」

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