奇々怪々 お知らせ

不思議体験

Pez13さんによる不思議体験にまつわる怖い話の投稿です

試し撃ち
短編 2026/06/03 10:18 247view

さらに釣具店で買った鉛のオモリを弾代わりにした。

火縄銃のような単純な構造だったが、それでも立派な手製の銃だった。

試し撃ちの場所は、もちろん橋の中だった。

何発かはうまく発射できた。

だが回数を重ねるうちに、鉄パイプが膨らみ始めた。

最後の一発を撃った瞬間――

バンッ!

大きな音とともにパイプが破裂した。

幸い怪我はなかった。

少年は慌てて壊れたパイプをその場に捨て、そのまま家へ帰った。

それからしばらくして、奇妙な夢を見るようになった。

暗闇の中に、浮浪者風の男が立っている。

何も言わない。

ただ、じっとこちらを睨んでいる。

そんな夢だった。

高校へ進学する頃には、その夢も見なくなった。

そして月日は流れた。

ある日の夕方。

何気なく見ていたテレビのニュースで、少年は凍りついた。

昔よく遊んでいたあの橋。

その橋の下部にある点検空間から、白骨化した男性の遺体が発見されたというのだ。

身元は不明。

浮浪者とみられていた。

遺体に目立った外傷はなく、死因は餓死の可能性が高いと報じられていた。

だが、ニュースキャスターは最後にこう付け加えた。

「なお、遺体の周辺からは、釣り用の鉛製オモリが複数発見されています。事件との関連は不明です」

その言葉を聞いた瞬間、少年の背中を冷たい汗が流れた。

あの場所で使った鉛玉。

あの暗闇。

そして、何年も前に見続けた夢。

2/3
コメント(0)

※コメントは承認制のため反映まで時間がかかる場合があります。

怖い話の人気キーワード

奇々怪々に投稿された怖い話の中から、特定のキーワードにまつわる怖い話をご覧いただけます。

気になるキーワードを探してお気に入りの怖い話を見つけてみてください。