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不思議体験

霞町路(筋首)さんによる不思議体験にまつわる怖い話の投稿です

幸福恐怖症×不幸まき散らし症候群
長編 2026/04/27 20:13 3,881view

あの瞳は、私の瞳でした。
鏡の中の私より、ずっと私らしい瞳でした。
だから余計に怖かった。

その子は、私の幸せをじっと見ていました。
「それ、似合わないよ」

そんな声が聞こえた気がして、
私はイヤホンを耳に押し込んで、
あのアーティストの曲を流しました。
軽いのに重い、甘いのに苦い。
あの独特の浮遊感に逃げ込むように。

でも曲が流れるたびに、子供の影が揺れては増えて、私の後ろに立つ私の数が増えていきました。

視線が増えました。
足音が増えました。
私が増えました。

善い私が笑って。
悪い私は黙って。
どちらの私も私じゃないみたいで。

本物の私はどこに行ったんでしょうね。
……あ、もしかして最初からいなかったのかも。

—

善の私は、軽やかで、
悪の私は、毒があって、

アーティストの私は、笑わなくて。

三人とも私で、
三人とも私じゃなくて、
三人とも彼の前に立ちたがっていて。

「あなたは似てるよ」
アーティストの私が囁きます。
「似てないよ」
本物の私は否定します。
「似せればいいの」
悪い私が笑います。
「似せなくていいよ」
善い私が泣きます。

4/6
コメント(1)
  • そんなこと思わないで上を向いて歩いていこう!いつかいいこともあるはずさ!お互い初心者同士頑張ろう!
    ープーくん

    2026/07/03/19:16

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