【和真も早く,こっちにおいでよ。ずっと待ってるんだから】
「「すぐにその声が俊輔だと分かったから,『俊輔,どこにいるんだ?』って,声をかけたんだ。でも返事はなかった。俊輔の『待ってる』って言葉が,気になるんだ。
きっと鏡のなかにいるんだよ。俊輔を助けに行かなきゃ……」」
今は4時半を過ぎたところだ。
もう少しここで待っていれば,鏡のなかの俊輔に会えるのかもしれない。
私もさちも怖かったのですが,和真をひとり,ここにおいていくわけにもいかない。
三人で,鏡の前で4時44分を待つことにした。
…チッチッチッチツ。
……チッチッチッチッチッチッ。
…チッチッチッチッ。
「「ここって,すごく静かだな……」」
「「それになんだか,うす暗いよね……」」
誰もいなくなった古い投舎に時計の音が響き渡る。
時計の針は,4時40分を指している。
「「給食のシチューおいしかったよね」」
「「だよね。わたし,おかわりしちゃった」」
私達は,怖い気持ちをかくすようにわざとお喋りをしたが,あまり会話が続かない。
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