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妖怪・風習・伝奇

DYNAMITE..さんによる妖怪・風習・伝奇にまつわる怖い話の投稿です

鏡の向こう側
長編 2026/04/18 20:52 339view

【和真も早く,こっちにおいでよ。ずっと待ってるんだから】

「「すぐにその声が俊輔だと分かったから,『俊輔,どこにいるんだ?』って,声をかけたんだ。でも返事はなかった。俊輔の『待ってる』って言葉が,気になるんだ。
きっと鏡のなかにいるんだよ。俊輔を助けに行かなきゃ……」」

今は4時半を過ぎたところだ。

もう少しここで待っていれば,鏡のなかの俊輔に会えるのかもしれない。

私もさちも怖かったのですが,和真をひとり,ここにおいていくわけにもいかない。

三人で,鏡の前で4時44分を待つことにした。

…チッチッチッチツ。

……チッチッチッチッチッチッ。
…チッチッチッチッ。

「「ここって,すごく静かだな……」」

「「それになんだか,うす暗いよね……」」

誰もいなくなった古い投舎に時計の音が響き渡る。

時計の針は,4時40分を指している。

「「給食のシチューおいしかったよね」」

「「だよね。わたし,おかわりしちゃった」」

私達は,怖い気持ちをかくすようにわざとお喋りをしたが,あまり会話が続かない。

4/7
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