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不思議体験

柳生先輩さんによる不思議体験にまつわる怖い話の投稿です

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短編 2026/02/21 11:57 67view

夜の雷門中グラウンドは、妙に静かだ。

自主練のあと、最後に残るのは大体俺だ。

ボールの感触を確かめる時間は、思考を整理するのにちょうどいい。

その日も、ロングパスの軌道を確認していた。

蹴ったボールが月明かりを横切る。

完璧な弧。

――だが、落下地点に“誰か”がいた。

黒い影。

背番号は見えない。

だが確かに、受ける体勢に入っていた。

ボールは止められ、静かに地面に置かれた。

おかしい。

今日はもう全員帰ったはずだ。

「……誰だ?」

返事はない。

影は、ゆっくりこちらへボールを蹴り返した。

正確すぎるパス。

無駄がない。

まるで、俺の思考を読んでいるような位置取り。

試すように、ワンタッチで方向を変える。

影は即座に対応する。

フェイントを入れる。

遅れない。

視線誘導も効かない。

背筋が冷えた。

こいつは――俺の癖を知っている。

「……面白い」

冷静を装いながら、さらに速度を上げる。

だが影は常に最適解を選び、進路を塞ぐ。

俺のプレーを、完璧になぞるように。

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